全裸バイク属性はさすがになかったわ

ベトナム戦争アメリカのために名誉の負傷を負い、警察の不正に正義をかざして立ち向かった結果、警察を追われる羽目になった男が、アメリカの自由と魂を負わされて「バニシング・ポイント」に向かって走り続ける事を強いられる話。
アメリカって何だ?自由って何だ?その為に身を捧げる意味って何だ?ということをただひたすら問いかけてくる映画なんだと思う。アメリカはデカすぎて、ややこしすぎて、俺には完全に理解できるものでは到底ないけど、この映画から染み出して来る滾るような熱気だけは死ぬほど分かる。これは凄いね。やられた。


タランティーノはこれを「形而上学的だ」と評したんだって。なるほど。この浮き世離れした、焦点が定まっているようでずっと曖昧な感覚は、形而上学的と言えるかもしれないね。スーパー・ソウルとコワルスキーがなぜ繋がったのか、って事を考える時にそれは外せない要素かもしれない。

あと前半の「ワシは走りたいだけなんじゃ。殺生は好まんけぇの。」とばかりに、自分の爆走の結果、事故った奴をいちいち気にするシーンが好き。これはアメリカの自由の魂は殺生の為に作用してはならないんだ、というモチーフにも見えるね。うん、やっぱりこの映画すごく面白いわ。