超優良ポップミュージック2枚

シンクロニシティーン

シンクロニシティーン

すんばらしい。大変素晴らしい。この2枚は今の東京が生み出せる最良のポップミュージックじゃねーの?なーんて大仰な言葉が思わず出てしまうくらい。


まず相対性理論。最初の2枚が魔法のようなアルバムだっただけに、その次の一手が重要だと思ってたんだよね。その魔法を継続できるのか、って。だけどそんなのかるーくすっ飛ばして、文句なしの極上のポップアルバムを作ってしまった。見事。今回が最高傑作と言っていいと思う。ひとつ残らず名曲揃いだ。
その2枚の後の色んな課外活動を経て、演奏力も表現の幅も今までとは比べ物にならないくらい豊潤になったのをいかんなく発揮してる感じ。その課外活動で色んな方向のアプローチを見せてきたけど、最終的に「相対性理論」のフォーマットにしっかり落とし込んで完成させてるのは本当に見事だと思う。
特にかなりのペースで課外活動をしてきた、やくしまるえつこのヴォーカルはこれまでにないくらい色が付いてる。これまでは意図的に無頓着なヴォーカルを選んできたと思うんだけど、このアルバムでは今までになく、ものすごく自覚的。そうだよね、いつまでたっても子供じゃいられないもんね。あとヴォーカルのミックスのバランスも今まで一番大きいよな。きっとこのヴォーカル、多分賛否両論あると思うんだけど、俺は凄くいいと思います。
それと今回はソングライターとして真部脩一以外がクレジットされてるけど、前から色んな所で語られてきた「基本メンバー全員で作ってる」ってのは本当なんだろうね。やはり面白いバンドだ。



んで、ジム・オルーク×バート・バカラック。もう俺が何を言うまでもないね。ジム・オルークを中心軸に集まった優秀なミュージシャンが、バート・バカラックへの愛と尊敬で凝縮しちゃえば、そりゃすばらしいアルバムになるに決まってるよ。素晴らし過ぎる。