「フローズン・リバー」「映画クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」

俺様採点:3
これは完全にアメリカについての映画。簡単に銃を放つ主人公や、パキスタン人と聞いただけでテロリストだと訝しんでろくに確認もせずに鞄を捨ててしまう、というステレオタイプアメリカ人像という表層だけじゃなく、利己的な要素が物語を動かす原動力になっている事、そして何より次々に異国の人間をこっち側に取り込み、ボーダーを超えていくことで事で利益を生み、同時にそれが噴出する問題の火種にもなるという事。母性に関する話の姿をした、アメリカに対する批評性の塊だと思う。


俺様採点:4
やったぜ!これは原恵一が去った後の中じゃ、文句なしで一番の快作だろう。まあ、実はオタケベ観てないんだけどwwだけどこれが快作なのは間違いない。
結局、クレヨンしんちゃんの映画って「オトナ帝国」という未曽有の傑作がどうしようもない一つの基準としてあるんだよね。これまで製作陣は、あの作品との比較や、変な話、コンプレックスみたいなのを抱えながら作品を作ってきたと思うんだけど、今回の作品の素晴らしい所は、オトナ帝国に真っ向から挑んだって所だね。
オトナ帝国は「過去に奪われそうになった今を取り返す」って話だったけど、今回は「その取り返した今の先の未来を取り返す」って話だ。そして劇中のセリフでも「ちょっと未来まで」とか「これはお前の未来だ」とか、明らかにオトナ帝国へのオマージュと思われるセリフが出てきたりするしね。何よりその姿勢に感激した。


正直、子供の春日部防衛隊と、大人の春日部防衛隊の絡みがやけに希薄で中途半端であるとか、後半に話がとっ散らかっていく(暗黒タマタマを思い出す、ラストの詰め込みすぎ感だな)とか、そういう不満点も結構あるのだけど、それでもこの凛としたこの作品の姿勢は称賛に値すると思う。
やったぜ、楽しいクレしん映画が戻ってきたぜ。本当にそれがうれしい。ただただううれしい。