「川の底からこんにちわ」「戦闘少女 血の鉄仮面伝説」「SR サイタマノラッパー」

  • 103 川の底からこんにちわ

俺様採点:3
この映画の中心地は「頑張れ」って事。だけどそれは例えば勝間和代の言う「頑張れ」とは全く違って、もっとざっくりと根を下ろした形で「中の下である事を恥じりも悲観もしなくていい、そういうもんだからしょうがない。で、その地点に立ったうえで、あくまでその上で言うよ。頑張れ」って事だよね。頑張ればどうにかなるわけじゃない事を知った上での、「頑張れ」だ。ギリギリの淵に立った状態でも、アパシーと逃避だけは完全に否定する為の「頑張れ」だ。
ずっと前から思ってる事なんだけど、幸せのハードルを下げる事が出来るってのは一つの才能だと思うだよね。「開き直る事が出来る」って事自体が才能であるのと同じく。要は人間の幸せは相対的なものじゃなくて、自分自身を軸とした絶対的なものであるって事に気付けるかって事。一般論として、幸せの価値観ってほとんどの場合相対だと思うんだ。人間の幸せってこういうもん、っていうデファクトスタンダードがはるか昔に出来ちゃって、それをずっと踏襲してきたことで、それが幸せの価値を相対的なものにしてるんだ。だから、そのいつの間にか既成化されたスタンダードに抗う方法で一番シンプルなのが、そのスタンダードを自分のために変えちゃう事。そしてそれは往々にして、「ハードルを下げる」って事になる。その勇気を持てるかって事になる。
あーそうだそうだ、さっき冒頭で勝間和代の名前出したから思い出したけど、例のひろゆきとの対談でも全く同じ内容の話出てたよね。幸せの基準の半ば強制的な共有はいかがなものか、っていうの。あれ全くその通りだと思う。あーあと今度綾瀬はるか様主演の「ホタルノヒカリ」の2が始まるから、今1を見直してるんだけど、あれもそうだよね。あれも自分の幸せの基準に沿って自分を形成し、その上で死ぬほど頑張るっていう話。ていうかあのドラマの綾瀬はるかさんは多分、有史上一番かわいい。あれは本当におかしい。異常。怪物。怖いくらいかわいい。愛してる。・・・話がそれた。
で、最も重要なのは、その幸せの基準を自分で変えて設定したのなら、そこに対して最大限の努力をしろ、って事なんだよな。そう、頑張れ、って事なんだ。そこで頑張らないのは、ハッキリ言って罪。大きな基準に対して頑張れないのなんて当然。だけど自分の基準には頑張れないと話にならんだろうって事だ。俺、これもずっと前から言ってると思うだけど、結局この世ってその個々人の半径数メートルの頑張りで成り立ってるんだと思うんだよね。結局は自分と、その周辺こそが最重要。色んな事で苦しんでる人の重荷を取り除くヒントの一つって、絶対にここだと思うんだよね。そこに気付けるかどうかの分岐点だ。
この映画が主張するのはそういう事だ。バカ男にばっかり愛され捨てられ、上京しようが何しようが田舎の小さなシジミ工場の娘としてのルーツは変わらないし、貧乳だし、酒好きだし、子供が苦手。仕事も出来ない。だけどそれをしょうがないものとして認めた上で、所詮中の下だと認めた上で、自分の幸せの基準を決めたから、超頑張る。それに向けて死ぬほど頑張る。だからお前も超頑張れ馬鹿野郎、って事だ。
だから結論から言ってしまえば、この映画は大好きだ。というか、「大好きになりたい映画」だ。凄くいい映画だと思う。見事な娯楽作品でもあるし。で、結局俺のこの映画の評価はどうかって?うん、中の下だな。しょうがない!!


いや多分さ、これ「好きになりたい」が故に、細かいところまで気にしてしまっているんだと思うんだよね。凄く個人的な話で。

例えば前半特によく出てくる、細かいセリフに細かいセリフを被せてパンパンと会話を繰り出すギャグシーンあるじゃん。小劇場的というか、シットコム的というか。あれ、全然乗れなくてさ。例えば「しとやかな獣」の怒涛のセリフの羅列ってものすごく笑えるじゃないか。で、あれも映画的ではなく、その小劇場的な笑わせ方だと思うんだけど、それが機能してるのって「しとやかな獣」自体が小劇場的な体裁を持ってるからだと思うんだよね。だけどこの作品はそうじゃないので、そこが浮いちゃう感じがしてしまう。
多分あれで最初のつかみはOK!っていう監督の意図があったと思うんだけど、あれに乗れないままスタートしちゃったんだよね。まあ、満島ひかりが覚醒する後半はそのスタートの出遅れを取り戻してくれたのは間違いないけど。もっとも、笑いって特に個人差があるものだから、これは俺の問題ってのもあるだろうけど、でもまあ、映画的な笑いって、極論すれば「ドリフの笑い」だと思うよ。画と流れと状況の笑い。そっちの方が機能はしやすいと思う。


あと音楽の使い方が気になったんだよね。この映画のここぞっていう感動的なシーンで、毎回ご丁寧に「いい音楽」が流れてくるんだけど、あれはちょっと過剰だった印象。後半の満島ひかりのハイライトシーンの一つでもある「言うの忘れちゃった」のシーン(あれはちょっと泣いた。「いじらしさ」で泣かせる女優なんてそういないぜ!)、あそこもあそこまで音楽いらない気がする。もったいねーって思ってしまった。


それともう一つ。この映画の脚本で、繋がるモチーフってのが頻出してくるじゃん。例えば女にだらしない男(恋人と漁師、そしてオヤジ)、ヒロインが蒔くウンコと骨、エコとウンコ、ガキのおしっこをスカートがたっぷり吸っちゃっておしっこ臭いのがしょうがないと開き直る、そんなウンコみたいな人生だったけど糞尿でスイカと花は育つ(ウンコばっかじゃねーか!!!)。そしてスイカのようなおっぱいがない女がいつの間にか育てたスイカ・・・とかね。
その提示したモチーフを、一つ一つ丁寧に繋げていく脚本は、本当にこの監督の作家としての良心が見えてくるし、すごく実力がある人なんだろうなあって思うんだだけど、単純にそれが気持ちいいものとして機能してるんだろうか、そしてそこまで盛り込む必要があるんだろうか?っていう違和感がちょっと残ってしまったんだよね。26歳で掴んだ大きなチャンスに意気込みすぎちゃった所あるんじゃねーかなあ、とか邪推してしまった。
とは言え、「みんなあなたのお母さんよ」のセリフを輝かせるために、母親の死という濃いモチーフと、女にだらしないオヤジっていうモチーフ、そして随所に下ネタをちりばめてきたからこそ、泣けるシーンで下ネタをコメディリリーフに使えた、っていうのは見事に伏線が昇華されててブラボー!!って思ったりとか、そういう素晴らしいシーンもあったんだけどね。


・・・なんだこの長文!!こんなに長く書くつもりなかったんだけどなあ。しょうがないよね。しょうがないしょうがない。で、こういう長い文章を書いてきたからどこで入れたらいいかわかんなくなっちゃって、最後にオマケみたいになっちゃうけど、この作品で最も素晴らしいのは、何と言っても満島ひかりだという事は言っておかねばなるまい。
後半の怒涛の流れを作るスイッチはほぼすべて彼女の演技の強さだし、前述した通り、いじらしさで泣かせることだって出来ちゃう。凄いわ。愛のむきだしとこの作品で彼女のキャリアは少なくとも5年は安泰、なんて思っちゃうくらい。もはや彼女は中の下どころの騒ぎじゃないね。あ、でもおっぱいは下の下だから真ん中とって中の下?もうちょっと上かな。あーつっても下の下は乳首の評価もあるわけであって、評価は時期尚早か・・・・・って最後に下ネタか!!!!しょうがない!!こんな俺だからしょうがない!!!!!!
あ、こんな俺なので岩松了のエロ立ち回りは文句なしで好きでした。あそこだけは爆笑した。



  • 104 戦闘少女 血の鉄仮面伝説

俺様採点:3
これはもう杉本有美による、杉本有美のための、完全なる杉本有美バンザーイ!ムービーだな。杉本有美のアイドル映画でもあり、杉本有美のアクション映画でもある。杉本有美ファンならば土下座しながら涙して観る映画であり、杉本有美のファンじゃない人は今までファンじゃなかった事を後悔しながら土下座して涙して観る映画である。メガネの杉本有美に、1章のラストのスローモーションを挟みながらの長回しでのアクション女優としての立ち振る舞いを見せる杉本有美に、顔面いっぱいに血しぶきをバーバー被るという、井口昇チームの相変わらずの顔面ぶっかけフェティシズムをしかと受け止める杉本有美に、グッとくるための映画だ。
これって極論しちゃうと、井口昇の映画を毎回見ちゃう人と、主演女優3人のどれかのファンの人が観に来る映画だと思うんだけど、俺は前者であり、後者でもあり、後者の場合は森田涼花ファンとして行ったような所があるんだけど、すっかり杉本有美に心酔してしまった。この人凄いね。かわいくてキレイで男前。
琴乃がM字開脚でパンモロしてる前で、すうちゃんがその琴乃の足をぶった切る演技をしてるってのは最高に素敵だったけどな。
ま、映画としてはロボゲイシャの方が好きです。

俺は2010年6月3日に、世界中でたった一人、最初のパラグラフで杉本有美という言葉を10回も使った男だった。



俺様採点:5
爆音で。噂は本当だった!!!って事に尽きるね。素晴らしいねこれ。うん、泣く泣く。最後のシーンは泣ざるを得ない。あれは凄い。
もう内容は俺が言うまでもないんで、ここでは画の演出、カメラワークの素晴らしさについて。
例えば役所で役人を前にラップを披露する一番の笑いのシーン。最初はラッパーたちに対して正面のカメラで、役人たちは背中しか見えないんだけど、一度ラッパーたちにズームアップして、また引いて、ぐる〜〜っと回って今度はラッパーたちの背後からの視点になった時に、役人たちのドン引きする顔が初めて映る、っていうシークエンス。あれ凄いよね。どうやったって面白くなるに決まってるシーンだけど、それを完璧な形で提供するカメラワーク。
それとラストのカメラワークも凄い。左下に座る3人と、その後ろの2人(女店員がいるけどあれはただの背景だ)で始まるあの画。しばらくは小津作品のように全く動かないのだけど、二人のフリースタイルの掛け合いが核心に迫るにつれてぐぐっとズームして、関係ない3人を捨て去って2人だけに集中していくんだよね。その緊張感と、トムが振り返った瞬間のその緊張感の解放。すっげー!!

この映画、画が素晴らしいと思う。全体的に小津的な奥行きのカメラをベースにしながら、それをどう動かすとどう作用するかをよく分かってる感じだよね。みひろがSHO-GUNGの曲を聴いて爆笑して去ろうとした後、「犯してみろよ」でこっちに戻ってくるシーンとか大好き。本当にどんどん引き込まれてしまった。すげーな。


んでまあ、みひろに敬意を捧げるべく、多分1年弱ぶりくらいにAV借りてきたんだ。この1年くらいは借りる必要がないくらい豊富だったからな。女が。嘘、エロDVDが。あるルートで手に入れた大量のDVDがあったから。
で、久しぶり行ったら、みひろのDVDがどこににあるかわかんねーの。1年くらい前はででーんとみひろコーナーあったのに。引退したからかな。でも琴乃も引退したけど、彼女のコーナーででーんとあったぞ。ああ、儚いね。AV業界儚いね。そういう所に実際のみひろも、劇中のみひろもいたんだよね。なんか劇中のラッパーたちとちょっとリンクするような気がして、少し感傷的になってしまった。うん、AVコーナーで。そっちは巨乳、そっちは近親相姦、そっちはスカトロのエロの大行進で。
で、今そのDVD観てんだけど、これ観た事あるwwwwww俺、みひろさんのAV借りるの人生で2回目なんだけど、まさかの被りwwww

何の話だ!!!寝る!!