【レビュー】10年第20節 川崎戦@スワン

アルビレックス新潟 2-1 川崎フロンターレ
スタッツ
黒崎久志監督 試合後コメント


圧勝!!!!!!!!


しかしこれさ、あまりに完勝過ぎて逆に書くことない類の試合だよね。要は清水戦と同じ。あのまんま。「新潟が前4人の連携、時に両サイドバックの攻め上がりという攻撃面の圧力で相手を押し込む。で、残りのセンターバックボランチは基本後ろで残って相手が縦に展開してくるのを注視して準備して潰して、また新潟ボールに繋げて攻めていく」って事。90分ずっとこれ。


試合開始から完全なる新潟ペース。ミシェウが立ち上がりの一発目からいきなりドリブルでぬるぬるとDFを縫ってPA内に侵入して狼煙を上げると、3分にはマルシオが直接FKを狙いに行って一気にペースを握る事に成功。
特に前半は左のヨンチョルとミシェウの所でガッツリ起点が出来るので、そこにこの試合で久々のスタメンになった森と佐原が笑っちゃうくらいに簡単に釣られる。その結果、生まれたスペースに選手が斜めに入ってくるという形で何度もチャンスを作る事に成功した。6分のヨンチョル→貴章、11分のミシェウ→マルシオ、13分のミシェウ→ヨンチョル、そして16分のヨンチョル→貴章でトーキックシュート。全部同じ形。完全に川崎の懸念材料であった右二人がテンパってるのが分かる。
で、それを見てヨンチョルが今度は森に1対1を仕掛けて、24分にサクッと縦に抜き去って貴章へ決定的なクロス、その直後の25分にはヨンチョルが完全にフィジカルで森を吹き飛ばしてまたまた決定的なクロス、とやりたい放題。
そうなると川崎の守備は前に行けなくなり、攻撃は殆ど前のジュニーニョ、黒津、ヴィトール・ジュニオールの3人に託したロングボールを蹴ってくる形に終始する事に。ただ、これは前節の名古屋戦でもそうだったので、川崎としては7日間で3試合と言う条件を考えて、割り切って選んだ戦い方だったのだと思う。
ただ、この試合では清水戦同様に、新潟が攻撃で相手を押し込み、トップと中盤・守備陣を乖離させて、後は相手の縦への反撃を後ろで構えたセンターバックボランチがしっかりと対応する、という形がほぼ完ぺきに出来ていたので、縦への速さが最大の武器である川崎を持ってしても効果的な形が殆ど作れない。
で、その原因の一つは、間違いなく新潟の前線の選手、特に貴章、ミシェウ、マルシオあたりが川崎のボランチに効果的なプレッシャーを仕掛けてそこで自由を与えなかった事だったと思う。全体的に省エネ(特に後ろ)してるけど、そこだけは徹底することで、川崎が狙いたい中村憲剛を中心とした中盤からの効果的な縦パスを出させなかった。しかし何度貴章とミシェウがプレスバックしてボールを奪っただろうね。
しかもそこで奪えちゃうと、相手の縦パスを消すと同時に、こっちがあっという間に速攻を出せてしまう。仮に速攻に行けなくてもしっかりポゼッションに切り替えて相手を押し込んでいく。そこでトライに行ってボールを失いそうになっても、勲が完璧な嗅覚でセカンドボールを拾いまくってまた次の攻撃へつなげていく。あまりに好循環。
ただ、前半はそれだけペースを握っていながら得点は奪えなかった。試合後にクロさんが言ってた「あとは決定力だけ、って所まで来てるのかな」ってのはこの試合に関してはその通りだと思う。前半で獲っちゃえばもっと一方的なスコアもあっただろう。



後半、川崎が先手を打つ。前半とは打って変わって、全体的なポジションを前に取って、もっと圧力をチームとして掛ける形を取ってくる。あれだけ後ろに下がっていた小宮山、森のサイドバックもちょっと高い位置を取り、サイドハーフを追い越してボールを受けに行くシーンも散見。
実際、新潟の守備はこの後半最初の10分くらいの時間帯で、ちょっと押し込まれる事もあって、ペースが変わりつつあったのだけど、それに冷や水をぶっかけるかのような、え?うん、あえて「冷や水」ってまあそれはいいんだけどw、そんなゴールが生まれる。
ヴィトールのクロスがゴールを襲ったのを黒河が弾き出した所か始まった攻撃。縦のヨンチョルにボールを付けて速攻に出かけるも相手が余ってるのでスペースがない。それを見てポゼッションに切り替え、勲が絡んでボールを触りながら右へと流れたヨンチョルへ。そこからのボールを受けたミシェウがスペースに走り出すヨンチョルへと勝負パスを出す。するとそのボールを受けたヨンチョルが見事なタッチでDFの間をすり抜けて、最後は貴章とスイッチすることで佐原を完全に置き去りにして、フリーになって左足で流し込む。先制!!!!!!


65分、慶行→ミカ。いつも通りの交代。

そしてその直後の66分。ゴートクがインターセプトに成功して一気に縦に。ヨンチョルとのコンビでカウンター。それは一端スピードを抑えられるものの、素早くポゼッションに切り替えて右サイドに展開。大伍、マルシオミシェウで起点を作った所で、左からセンターに入ってきたヨンチョルがラインとの駆け引きで動き直しながら今か今かと待ってる。そしてそこに見事なワンフェイントで田坂を外したミシェウから完璧なパスが通って、それをヨンチョルが右サイドの角度のない所から逆サイドネットに叩きこんで追加点!!完璧。これまたカウンター→ポゼッションに判断よく切り替え、相手が呼吸出来ないうちに獲ってしまった得点。完璧すぎ。


これでこの試合内容を見れば、ほぼ試合は決したようなもの。70分、川崎は田坂→木村、稲本→横山。単純に選手を入れ替える交代しかできないってのが苦しい所だと思う。

その後も試合のペースは殆ど変わらず試合は動いていく。完全に停滞したままパスミスだけが増え、運動量がガクっと落ちた川崎と、それを拾ってポゼッションを高め、ギリギリと相手を締めつけていく新潟。79分には大伍→うっちー。川崎は81分にヴィトール→楠神。86分には殊勲のミシェウジョン・パウロ
で、後半のアディショナルタイムにはジョンとミカのビミョーなミスでビミョーなゴールをジュニーニョに決められビミョーな感じになるも、しっかりゲームを閉じて試合終了。



うん、というわけでいざ書こうと思うと意外と書く事がないくらい、サクッとした快勝。1日の日程のアドバンテージを、清水戦同様完璧に活かした快勝。
もう止まってられないよね。行くしかねーよ。もう上位の尻尾は掴んだよ。後はそれをグイッと引っ張るだけのパワーをかけるだけ。まだまだとまらねーぞ!!!!!!!