【レビュー】10年第22節 ガンバ戦@スワン

アルビレックス新潟 1-2 ガンバ大阪
スタッツ
黒崎久志監督 試合後コメント


ナイスゲーム。そして明らかに勝つべき試合。


この試合はマルシオが怪我。その代わりに加藤大スタメンでリーグ戦デビューで、左に入って右にはヨンチョルが入る。

試合開始から新潟ペースだったと言えるだろう。試合の最初は全体の位置こそそんなに高くないものの、物凄くコンパクトなブロックを作ってガンバの攻撃を迎え撃ち、そこから前線のオオシ、ミシェウ、そしてヨンチョルへと縦へと素早く展開して一気にゴールへと向かっていく。その形から5分にヨンチョル、7分に勲の素晴らしすぎる縦パスから抜け出したヨンチョル→ミシェウ、9分にはヨンチョルと、一気にシュートを浴びせてペースを握る。
この試合を通じてそうだったんだけど、とにかくこの試合では勲がいい。センターバックと慶行との距離感を、チーム全体として上手く保っていたってのもあるんだろうけど、とにかく彼の特長である先の危険を察知するポジショニングと、完璧なボール奪取、そこからの前へと付けるボールの選択の正しさ。凄かった。
それと注目点の一つであったマサルも前半は非常にいいプレーをしていたと思う。今年のPSMで初めて彼のプレーを観た時も思ったけど、とにかく体の入れ方が上手い。マルシオみたいなボールを自分の懐に入れるための腰や手の使い方が出来る選手だと思う。そうだよな、彼は本職ボランチだもんな。試合が進むにつれて消えてしまったけど、デビューとしてはまあ及第点だったんじゃないだろうか。23分の安田との奪い合いは痺れたぜ!


というわけで基本はしっかりブロックを作って一気に前へと展開し、時にミシェウを絡めたビルドアップで仕掛けていく新潟と、前線の選手の絡みで一気に前へと圧力をかけてくるガンバという構図で試合は進む。
そして15分を過ぎたあたりから顕著になってきたのは、ガンバのボランチ=急増コンビになった山口と武井の距離感がイマイチで、サイドバックとの連携もイマイチなので、速攻になった時に特にサイドでフィルターを受けずにボールを運べるシーンが増えたという事。そうなると大伍がそれをも逃がすはずはなく、凄まじく積極的に前へ前へと絡んでいく。20分には勲が高い位置でインターセプトに成功して始まった攻撃から、ミシェウが勝負を仕掛けてこぼれたボールを勲が拾って、右でフリーになっていた大伍へ完璧なクロス。それを高い打点で折り返すものの惜しくも合わず、っていうシーン。26分には左サイドでボールを受けたうっちーが完璧な抜け出しから完璧なクロス→大伍がヘッドも惜しくも右に逸れる、っていうシーンを作り出す。しかし左サイドバックがクロス上げて真ん中で合わせるのが右サイドバックってすげーよなww
このシーンもそうだけど、右の大伍もノリノリだったけど、左のうっちーもまーノリノリ。凄かった。今年はうっちーにとっては苦しいシーズンになってるけど、やっぱりうっちーは凄いよ。このチャンスで完璧な仕事をしてしまうんだから。


と言う事で新潟ペースで試合は進むのだけど、得点だけが奪えない。特に30分過ぎあたりからは新潟がポゼッションするのに対して、ガンバが若干リトリートして前から追うのをストップするという傾向がさらに高まったので、試合率は新潟が奪っていく。ただ、対するガンバも30分に左に流れたルーカス→走り込んだ橋本で決定的な形を作って応戦してきたような、前の4人だけで成立させてしまう一発の怖さをチラつかせてくる。これは後半にさらに顕著になるのだけど。
44分に積極的な攻撃参加からこぼれ球をうっちー、45分にはこれまたアグレッシヴな攻撃参加から、最後はPA内で見事なテクニックで山口を外してループで狙うという本来10番タイプの選手の血が騒ぐようなプレーを見せるも、惜しくもゴールは捕らえられずに、前半終了。あれ入ってたらヒーローだね。ていうか多分勝てたね、この試合。



後半、ルーカスの素晴らしいポストからの武井のミドルでスタート。
そして49分、新潟がついに先制点をモノにする。左サイドでミシェウと勲のパス交換から左に抜け出した勲が切り返して右足でクロス。そのボールは下平の頭をかすめて右へと流れると大伍がそれをフォローして、ヨンチョルにマイナスの折り返し。それをヨンチョルが左足でキレイにゴールに叩きこんでゴール!!完璧な崩し。新潟が前半の流れを考えれば遅いくらいのゴールをついに手に入れる。

ただ、そのリードはたったの5分で消える。54分、CKからあっけなく高木カズミチにヘッド合わされて同点。ていうかさ、これ前もちょろっと書いたと思うんだけど、今年の新潟のセットプレーの守備ってちょっと危ないよね。この試合で失点したからとかじゃなくてさ、従来のマンマーク+一人ゾーンで守るストーン、ってのから1人ゾーンで守るストーンはいるけど、その他がマンマークなのかゾーンなのか中途半端なシーン多くね?エリゼウのヘッドとかまさにそれじゃん。もったいなすぎ。セットプレーの守備担当って森保さんらしいけど、ホント頼みます。



その後、ガンバが前に力を掛け出したことと、新潟が上手くボランチにプレッシャーをかけられなくなってきたのもあって、ガンバが前線の平井、ルーカスに一気に縦にボールをつけてくる攻撃を見せて少しずつペースを握る姿勢を見せる。ただ、新潟も57分にはマサルが素晴らしい持ち出しからセンターのオオシに完璧なスルーパスを通して決定的なシーンを作ったりと、ペースの主導権では負けていなかったのだけど。
63分、だんだんとミスが目立ち始めたマサルに代えてアトム投入。ミシェウが左に移ってアトムがトップに入る。そしてガンバも66分、二川に代えてイ・グノ登場。結果的に、この交代が分水嶺になったと思う。
これによってガンバは左にルーカス、トップがグノと平井になったのだけど、左に入ったルーカスがこれがまあ、本当に上手い事プレッシャーをかいくぐってボールを受けて前を向くプレーを連発。それによってガンバのカウンターの1回1回が確実に新潟を疲弊させていく事になった。それによって、その後基本的にポゼッションは握っていながらも、最後の部分で人数を掛けられないという悪循環に陥る事になったのだと思う。しかし本当にルーカスっていい選手だよね。どの試合見てもいいプレーしてるもんなあ。過小評価されすぎだといっつも思う。

新潟はアトムが73分のCKでGKを強襲する面白いボールを蹴ったり、彼が積極的に動いてスペースを作ってそこにうっちーやオオシが絡んでチャンスを作るものの、決定的な形までにはなかなか至らず。
77分、ガンバは平井→ドド。ぶっちゃけ「ドドてwww」って思ってましたすいません。ええ、思ってましたとも。そしてその直後に新潟も慶行→ミカ。
試合終了が近づく中、更に前へと圧力をかけていく新潟。81分にはヨンチョルとミシェウの絡みで右からクロス→アトム→ヨンチョル→アトム。84分には勲が相手とのボールの奪い合いをルーレットで制すというドスケベすぎるプレーから右に走り込むミシェウに完璧なロングパス→ミシェウシュート、と形を作るもののゴールは奪えず。
83分、ガンバは山口→佐々木。86分、新潟の最後の切り札はケンゴ。オオシに代わってトップへ。
そしてその直後の87分、走り込むケンゴにミシェウから素晴らしい勝負パスが出て、左足で狙うも惜しくも藤ヶ谷にセーブされる、という見せ場を作る。ナイス。
しかし、最後に勝ち点3を攫っていったのはガンバだった。90分、下平の斜めからのクサビをPA内で受けたドドがファーストタッチで素晴らしい一発のターンを見せて千葉ちゃんを外すと、そのまま左足を振りぬいて黒河のニアをぶち破る。逆転。残念すぎる失点。そしてそのゴールが見えていない内田拓志もまた残念。


その後ゴール前でのFKという見せ場を作るのだけど、アトムのキックは壁に当たり、それで得たCKも当たり損ねで、万事休す。そして試合終了。今年初の連敗。あーそういや最後の最後のCKでガンバが全員戻ってるのに、GKと一人余らせてCKをやる意味って何?あれなんでいかねーんだろう。



ま、次だ次。次勝つぞ!!!