「下苅り半次郎 (秘)観音を探せ」「「エロ事師たち」より 人類学入門」「愛より強い旅」「暗殺の森」

  • 16 下苅り半次郎 (秘)観音を探せ

俺様採点:3
「クンニの天才である伊吹吾郎が、将軍様に雇われて伝説のマンコを持つ女(絶頂に達するとクリトリスが輝くからそれが分かる)を探すべく、ひたすらクンニしまくる」って映画なんだけどwww、まあそれが全てだよ!!
十字架に磔にされた女目がけて、ジャンプして空中で半回転して女にくっついて69を仕掛けるシーンがハイライト。大笑いした。


俺様採点:4
エロからスタートする色んな問題と、右往左往する人間関係を今村昌平節で紡いでいく、その上手さ。後半に出てくる形而上的なアプローチも含め、猥雑ながら人間の生き方が非常に濃厚に描かれる。それで「人類学入門」ときたもんだ。凄いセンス。
小沢昭一が「ダッチワイフだったんだー!!!!!!!!」って叫ぶシーンで鳥肌。


俺様採点:4
「音楽と自らのルーツを探す旅の映画」ってのは今さら目新しさを感じないんだけど、フレームアウト/インの表現の巧みさ等の画の作り方のうまさでぐいぐい引っ張っていく。そしてその音楽と画の強さは、最後に怒涛のポリリズムが炸裂するアルジェリアの儀式曲と、その長回しで絶頂へ。あれは凄い。あれを体験するためだけに観る価値がある。


俺様採点:5
光と影、物の配置、色彩、カメラのトラヴェリング。その画面を形作るありとあらゆる要素全てに、恐ろしいほどの豊潤な美意識と気合を感じる。そしてその結果、全てのシーンから気品を感じると同時に、劇中の人物の迷いや不安や葛藤で滲む汗の匂いさえ漂ってくるような、そんな心理描写と画面の親和性が存在してる。物凄いね。びっくりした。ただ画面を眺めているだけで、完全に心が奪われてしまう希有な映画だ。地を這うカメラとその前で巻き上がる落ち葉のシークエンスは本気で鳥肌が立った。
マルチェロには、自分の芯が存在していない。過去の忘れ難い忌まわしい記憶から逃げるという事のみが、彼のレーゾンデートルになってしまっているんだと思う。それがはっきりと見て取れるラストシーン。最後の彼の表情と、光と影のコントラストには震えた。大傑作。