錦糸町から池袋への道程で確信したこと

昨日、地震が起こって全く電車が動かず、携帯電話もメールも完全に機能を封じられる中、まずは職場への帰還を考えた。錦糸町から池袋。大体の距離にして15キロ。バスを乗り継ぐ事を検討したけど、地震が起きてからたった10分で人で溢れるバス乗り場を見て、歩く事を決心した。


総武線を右手に見ながら歩くその道すがら、道に人は溢れているけど、混乱している印象は全くない。都心方向に向かう人は道路側、千葉方向に向かう人は建物側、という自然な流れがあり、誰一人として、それを破る事はない。比較的歩道が広い錦糸町から秋葉原はもちろん、場所によってはきゅっと道が狭まり、人の数が錦糸町秋葉原間とは比べ物にならないくらい多かった御茶ノ水〜市ヶ谷でも、混乱することはなく、人の流れはただ淡々と流れに沿って規則正しく続いていった。


道にいる人を見ると、しっかり用意していたであろうヘルメットを着用している人、防災頭巾をかぶっている子供が本当によく目立つ。そして首尾よく店の入り口を急遽締め切って店員・スタッフが外に避難しているドンキホーテブックオフ。緊急避難所であろう広場にいち早く集まる人。この国がずっと準備し、訓練してきた事を如実に見てとれた。


浅草橋の道沿いのホテルの一階ロビーではテレビにNHKが映し出され、人が群がっていた。するとホテルのスタッフから、あまりに人が溢れているので、宿泊のお客様以外はご遠慮下さい、とのアナウンス。誰一人それに抗うことなく、ロビーから去っていく。市ヶ谷に着いた頃には、ちょうど帰宅の時間と電車の影響で、この道程で最多の人が溢れていたのだけど、自転車店で自転車を求める人たちや100円ローソンのレジを待つ人たちの作る長蛇の列は、混乱したり順番を争って乱調をきたすことなく、綺麗に伸びている。そして会計を終えた時に「ありがとう」「お疲れさま」を口にする人の多さといったら。


結局4時間弱かかって、職場に到着。そこで夜を過ごす。ずっとustやツイッターを眺めていたのだけど、誰もが自分の中で出来る事・すべき事/すべきでない事を模索し、行動しているのがよく分かる。
迎えた朝、半分諦めながらローソンに寄ると、早朝に入ったであろう弁当がずらり。あの混沌の中でも、作る人も運ぶ人も、職務を全うしてくれたのだ。




この国は絶対に大丈夫。簡単には倒れない、強い国だよ。
だから今は一人でも多くの命が助かりますように。みなさんもどうかどうか、ご無事で。