さかっちと劇団アイドリングのペロン

(ペロンのネタバレ含んでるエントリーですよ)


「さかっちのいる現場には基本全部行く」を掲げている俺なので、もちろん台東区の環境イベントに参加。最前列で1時間ガッツリとトークイベントを堪能できる、なかなかいいイベントであった。さかっちは本当に美しい。
それとウクレレにハンドルが付いていて、それを回す事で発電が出来るガジェットを使っている時、さかっちが会場にいた小さい女の子を呼んで、それをくるくる回させてたんだけど、それが本当にお母さんみたいで、もうドキドキだった。まじ嫁にしたい。


その後銀座線に乗って東京タワーへ。劇団アイドリングの旗揚げ公演を観てきた。
正直言ってあんまり期待していなかったんだけど、これが予想以上の内容で非常に楽しめた。素晴らしかった。
前半は荒唐無稽な展開でありながらも、メンバーそれぞれがしっかりとした演技を見せて、笑いを誘わせる所ではしっかり笑いをさらって行く。その中でもとんちゃんのコウダシンの下りの一人長台詞は白眉!!!女優経験の違いを見せる、とかじゃなくて、一人のコメディエンヌとして素晴らしい立ち振る舞い。ホントとんちゃん凄かった。

そして素晴らしかったのが後半の展開。前半からルーリーとすぅちゃんがちょっとホモセクシャルな関係にある描写が多かったのだけど、それは後半に向かってその関係はそうではないと明らかになっていく。
後半、ルーリーが「終わりそうなパーティ」に対して異常なまでの反抗を見せる。その上、突然「胎内に戻りたい」という願いを話し出すのだ。これは明らかにうつ病の症例の一つでもある、幼児帰りをモチーフにしているのだと思う。それはすぅちゃんの役名を見ても明らか。彼女の役名は「ルシール・ヴァン・ペルト」だ。ピーナッツのルーシーだ。あの漫画を知っている人ならここでピンと来ると思う。そう、ルーシーは漫画の中で精神科医のマネゴトをするキャラクターなのだ。
そしてその胎内では、全くの沈黙を守る他のメンバーに対し、すぅちゃんだけが話をすべて受け入れ、そしてラストシーンでもルーリーの話に耳を傾け、彼女が根底に持っていた過去の大きな傷を取りだし、施術する。
だからこの演劇におけるすぅちゃんの役回りって、「天使」なのだと思う。うん、「すぅちゃんは天使」ってのは衆目の一致するところ。だけど、本来の意味で、超自然的な存在としての「天使」。要は素晴らしき哉、人生に出てくるのと同じ「天使」だ。


この後半の展開は本当に素晴らしかったと思う。ただの楽しいアイドルの演劇じゃなかった。初回から全く「置きに来なかった」のだ。凄い事だ。
そして何より、歌やダンスと言った「従来の仕事」は言うに及ばず、誰一人演技力の面で足を引っ張らず、いやそれどころか話を加速させるだけの演技を見せてくれたメンバー達は非常にいい仕事をしていたと思う。やっぱアイドリングは埋もれさせちゃいけない存在だよ。